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2024/11/22 17:16 |
上杉景勝をめぐる旅
というわけで、「群雲、関ヶ原へ」や「われ、謙信なりせば」など読んでまいりました。
「天地人」は開いたけど閉じてまいりました。あと「謀将、直江兼続」とかも読みました。
あと密謀が読みたい。

「群雲、関ヶ原へ」
おおー、オススメいただいただけはあります。関ヶ原をめぐる大小数多の武将の右往左往。まずは景勝の会津移封から。景勝びいきの家康の空想からはいります。
しかし景勝が清々しいな。
心に残るひとびと。

上杉主従
なんか達観しすぎているような気がする。違う世界で生きてます。
景勝殿の人気ぶりがすごい。無口っぷりもすごい。なんだか喋ると「景勝殿がしゃべったああああ」という謎の重みを発揮する。
そして、臣下の島津親戚へのぽつりと一言がすさまじかったです。あれは思わず感動の涙を流しますね。
あと景勝殿はつまり萌えキャラなんだってことがわかりました。

石田主従
光成の優秀さがこれでもかー、っと伝わってきました。本当に優秀な人だったんだなあ。そして軍才のなさも伝わってきました。いいからそこは任せとけ。
光成に仕えてる臣下たちの、「しようのない殿だなあ」といわんばかりの殿かわいがりっぷりがスゴイ。頭ばっかよくて小柄で人付き合いわかってなくて妥協ができないけど公正さ人一倍とか、そんな殿をたてていってやろうという気概が大変伝わってきます。

真田一族
ソワソワしてる父と、一方兄と弟のきぱきっぱりぷりが見事でした。妻と子が可愛いから徳川につきます、という兄と、秀吉の恩顧にこたえる方が愉快です、という弟と。

大谷さん
見事すぎる。

島津
徒労感がまざまざと伝わってくる!

伊達政宗
伊達メインのだと伝わってこなかった、こいつ若い、というのがありあり伝わってきました。しかもノリノリで「YEAR!」とかほんとに言ってそうでした。「パーリィに遅れるぜ!」とか言いながらノリノリで上杉削ってる感じ。

佐竹への手紙
当代にして、この一国で天下を手中にしようとしている大軍勢を相手にするなんてそうそうできるもんじゃないぜ、とかそんな。
この姿勢が西軍を支えていたよーな気がします。
しかも勝つ気だぜ。

歴史にifはありませんが、なるほど上杉と、そしてその時上杉押さえ担当だった伊達と最上が組んで南下していたら、西軍の勝利だったような気になります。
もちろんifはない!


「われ、謙信なりせば」
父の仇としての謙信
襲われかけた相手としての謙信
それぞれの理由によって、家中の者が崇拝する謙信公に陶酔できない上杉主従の話。
謙信の清濁のうち、清を昇華して謙信になろうとした景勝と、濁を受け継いでしまった兼続。ふたりいれば謙信になれるよ、という感じに頑張る二人でしたが。
直江状の訳が大変わかりやすい。
わたしは直江の人生において、おっかけよう、って言ったら殿に拒否られてがびーんとするところが一番すきなんですが(ぇ)この話はすごくかねつぐがびーんとします。必死に説得します。「そんなに天下が欲しいのか!」と言われて天下が欲しいのか、たしかに天下の采配はしてみたい、でもでもなんかちがって!「殿に天下をとっていただきたいのですっ!」と叫び返すシーンがよかったです。


「謀将、直江兼続」
ふつうの直江小説と思いきや、途中からif小説。
徳川家康の死に近づく様を見つめながら、まだ殿に天下をとらせてさしあげられるかも、とかんがえるかねつぐ。誰と手をくむか、この牙をぬかれまくった武将達の中で誰が、と考え浮かび上がるのは独眼竜伊達政宗。
かくして密やかに結ばれた上杉と伊達の密約が、家康の死によって噴出する。
でも失敗する。
そんなif小説。
上杉と伊達がくめばいけるかも!というのが出てる小説。
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2009/06/23 02:04 | Comments(0) | TrackBack() | 読書感想(歴史)

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